非公開試作版 / 経済編 25「物価(インフレとデフレ)」(動画なし/PDFのみ)
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第 3 部 / 経済編

物価(インフレとデフレ)消費者物価指数/インフレーション/デフレーション

動画準備中

この講は動画が用意されていません。PDF原本(経済編 p.11)の流れを Web 解説として再構成しています。

この講で説明できるようになるギモン

物価の動きが経済を左右する

100円のハンバーガーが、ある日突然200円になったら——これが「インフレ」の分かりやすい例です。 逆に50円になったら「デフレ」。 物の値段の動きは、私たちの生活だけでなく、国の経済全体を大きく揺さぶります。 物価の動きを正確に読むことは、経済を理解する上でとても重要なスキルです。

物価のキー要素

インフレ・デフレ・スタグフレーション

  • 物価 モノの値段の平均値
  • CPI(消費者物価指数) 消費者が購入する財・サービスの価格変動を示す
  • インフレ(インフレーション) 物価が継続的に上昇すること → 貨幣価値が下がる
  • デフレ(デフレーション) 物価が継続的に下降すること → 貨幣価値が上がる
  • スタグフレーション 不景気なのにインフレが起こること

物価と物価指数

物価:モノの値段の平均値。

消費者物価(CPI:Consumer Price Index)
消費者が日常的に購入している財・サービスの価格変動を示すもの。 日本ではインフレターゲット2%(消費者物価指数が前年比2%上昇)を掲げている。
企業物価指数(CGPI)
企業間で取引される財・サービスの価格変動を示すもの。

物価指数:基準年の物価水準を100として、比較年の物価水準を指数で表したもの。

インフレーション(インフレ)

定義:物価が継続的に上昇すること。好況期によく見られる。
実態貨幣価値が下がるため、貯金や貸していたお金の価値も下がる(=借金返済は楽になる)。

インフレの2つの原因

ディマンドプル・インフレ
需要が増加したことによるインフレ(品不足や通貨量増加が要因)
コストプッシュ・インフレ
物価上昇によるインフレ(原材料費高騰や輸入価格高騰が要因)

インフレの3段階(速度による分類)

クリーピングインフレーション
インフレ率年間数%程度(忍び寄るように少しずつ)
ギャロッピングインフレーション
インフレ率年間10%程度(馬が走るように)
ハイパーインフレーション
インフレ率毎月50%以上(1年後の物価が130倍以上に上昇)。
例:第一次世界大戦後のドイツ、第二次世界大戦後の日本、21世紀初頭のジンバブエ

デフレーション(デフレ)とデフレスパイラル

定義:物価が継続的に下降すること。不況期によく見られる。例:バブル崩壊後から現在までの日本。
実態:貨幣価値が上がるため、貯金や貸していたお金の価値も上がる(=借金返済は苦しくなる)。
原因:モノが売れなくなったことにより、企業が値下げを始めることが原因。

デフレスパイラル

物価下落 → 生産活動低下 → 賃金低下 → 失業者増加 → 消費落ち込む → 不景気、というサイクルが継続して続く現象。 デフレが深刻化すると経済が縮小し続ける悪循環に陥る。

スタグフレーション

定義:不景気なのにインフレ(物価が継続的に上昇する)こと。

代表的な例
1973年 第1次石油危機(オイルショック)
原因
不況下であっても、品不足、輸入品高騰・原材料高騰などが原因でインフレになることはある。

「景気が悪いのに物価は上がる」という、通常の経済学では説明しにくい現象。 スタグフレーション(Stagnation+Inflation)と呼ばれる。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

市来公平先生からの問い:「あなたはインフレとデフレ、どちらがいいと思いますか?その理由は?」

インフレが続くと物価が上がり続けるため、固定給で生活する人や年金生活者は実質的な生活が苦しくなる。 一方、適度なインフレ(例:年2%)は経済活動を活発にし、企業の利益増加・投資促進につながる。 デフレは一見「物が安くなる」ため消費者に有利に見えるが、賃金も下落し、企業の倒産・失業増加をもたらす「デフレスパイラル」の危険がある。 日本はバブル崩壊後に長期のデフレを経験し、「失われた30年」とも呼ばれる経済停滞を経験した。 現代の経済学では、「適度なインフレが望ましい」(インフレターゲット2%)とされているが、急激なインフレはハイパーインフレの危険もある。 どちらが「いい」かは、立場や経済状況によって異なる。