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この講は動画が用意されていません。PDF原本(経済編 p.11)の流れを Web 解説として再構成しています。
この講で説明できるようになるギモン
- 消費者物価指数(CPI)って何?インフレって何?インフレになると、お金の価値はどうなる?
- インフレが起こる原因にはどんなものがある?ハイパーインフレーションって何?
- デフレって何?デフレになると、お金の価値はどうなる?デフレスパイラルって何?
- スタグフレーションって何?第一次石油危機では何が起きた?
物価の動きが経済を左右する
100円のハンバーガーが、ある日突然200円になったら——これが「インフレ」の分かりやすい例です。 逆に50円になったら「デフレ」。 物の値段の動きは、私たちの生活だけでなく、国の経済全体を大きく揺さぶります。 物価の動きを正確に読むことは、経済を理解する上でとても重要なスキルです。
物価のキー要素
インフレ・デフレ・スタグフレーション
- 物価 モノの値段の平均値
- CPI(消費者物価指数) 消費者が購入する財・サービスの価格変動を示す
- インフレ(インフレーション) 物価が継続的に上昇すること → 貨幣価値が下がる
- デフレ(デフレーション) 物価が継続的に下降すること → 貨幣価値が上がる
- スタグフレーション 不景気なのにインフレが起こること
物価と物価指数
物価:モノの値段の平均値。
- 消費者物価(CPI:Consumer Price Index)
- 消費者が日常的に購入している財・サービスの価格変動を示すもの。 日本ではインフレターゲット2%(消費者物価指数が前年比2%上昇)を掲げている。
- 企業物価指数(CGPI)
- 企業間で取引される財・サービスの価格変動を示すもの。
物価指数:基準年の物価水準を100として、比較年の物価水準を指数で表したもの。
インフレーション(インフレ)
定義:物価が継続的に上昇すること。好況期によく見られる。
実態:貨幣価値が下がるため、貯金や貸していたお金の価値も下がる(=借金返済は楽になる)。
インフレの2つの原因
- ディマンドプル・インフレ
- 需要が増加したことによるインフレ(品不足や通貨量増加が要因)
- コストプッシュ・インフレ
- 物価上昇によるインフレ(原材料費高騰や輸入価格高騰が要因)
インフレの3段階(速度による分類)
- クリーピングインフレーション
- インフレ率年間数%程度(忍び寄るように少しずつ)
- ギャロッピングインフレーション
- インフレ率年間10%程度(馬が走るように)
- ハイパーインフレーション
-
インフレ率毎月50%以上(1年後の物価が130倍以上に上昇)。
例:第一次世界大戦後のドイツ、第二次世界大戦後の日本、21世紀初頭のジンバブエ
デフレーション(デフレ)とデフレスパイラル
定義:物価が継続的に下降すること。不況期によく見られる。例:バブル崩壊後から現在までの日本。
実態:貨幣価値が上がるため、貯金や貸していたお金の価値も上がる(=借金返済は苦しくなる)。
原因:モノが売れなくなったことにより、企業が値下げを始めることが原因。
デフレスパイラル
物価下落 → 生産活動低下 → 賃金低下 → 失業者増加 → 消費落ち込む → 不景気、というサイクルが継続して続く現象。 デフレが深刻化すると経済が縮小し続ける悪循環に陥る。
スタグフレーション
定義:不景気なのにインフレ(物価が継続的に上昇する)こと。
- 代表的な例
- 1973年 第1次石油危機(オイルショック)
- 原因
- 不況下であっても、品不足、輸入品高騰・原材料高騰などが原因でインフレになることはある。
「景気が悪いのに物価は上がる」という、通常の経済学では説明しにくい現象。 スタグフレーション(Stagnation+Inflation)と呼ばれる。
この講のおさえどころ
- 消費者物価指数(CPI)の正式な英語名は?Consumer Price Index
- インフレになると、お金の価値はどうなる?下がる(貨幣価値の下落)
- インフレになると、借金返済は楽になる?苦しくなる?楽になる(お金の価値が下がるため)
- ディマンドプル・インフレとコストプッシュ・インフレの違いは?ディマンドプルは需要増加が原因、コストプッシュは原材料費・輸入価格高騰が原因
- ハイパーインフレーションとは?インフレ率毎月50%以上(1年後の物価が130倍以上)
- デフレになると、お金の価値はどうなる?上がる(貨幣価値の上昇)
- デフレスパイラルとは?物価下落→生産低下→賃金低下→消費減少→さらに物価下落という悪循環
- スタグフレーションとは?その代表的な例は?不景気なのにインフレ。代表例:1973年第1次石油危機(オイルショック)
考えを深めるための論点
市来公平先生からの問い:「あなたはインフレとデフレ、どちらがいいと思いますか?その理由は?」
インフレが続くと物価が上がり続けるため、固定給で生活する人や年金生活者は実質的な生活が苦しくなる。 一方、適度なインフレ(例:年2%)は経済活動を活発にし、企業の利益増加・投資促進につながる。 デフレは一見「物が安くなる」ため消費者に有利に見えるが、賃金も下落し、企業の倒産・失業増加をもたらす「デフレスパイラル」の危険がある。 日本はバブル崩壊後に長期のデフレを経験し、「失われた30年」とも呼ばれる経済停滞を経験した。 現代の経済学では、「適度なインフレが望ましい」(インフレターゲット2%)とされているが、急激なインフレはハイパーインフレの危険もある。 どちらが「いい」かは、立場や経済状況によって異なる。