非公開試作版 / 経済編 23「企業」(動画URL準備中)
23

第 3 部 / 経済編 / 経済編 p.7 / TR-011

企業公企業・私企業・株式会社・CSR

動画 URL 準備中

この講には授業動画(TR-011)が存在します。動画 URL 受領後に iframe を埋め込む予定です。それまでは PDF 原本(経済編 p.7)をもとにした Web 解説をご覧ください。

この講で説明できるようになるギモン

企業の種類を見分けると、社会の仕組みが見えてくる

「企業」と一口に言っても、国が運営するものから民間が経営するものまで、様々な種類があります。 私たちが日々利用している東京の地下鉄(東京都営地下鉄)は公企業、 SoftBankは私企業、 三陸鉄道は第3セクター—— 企業の種類を見分けると、社会の仕組みが見えてきます。

企業のキー要素

企業の3分類と株式会社・CSR

  • 公企業 国や地方公共団体が所有・経営
  • 私企業 民間が出資・経営。中心は株式会社
  • 公私合同企業(第3セクター) 第1+第2セクターの共同設立
  • 株式会社 株式発行で外部から資金調達。株主=出資分の所有者
  • 株主総会 1株=1票の議決権。会社の方針・役員を決める
  • CSR(企業の社会的責任) コンプライアンス・アカウンタビリティ・ディスクロージャー・フィランソロピー・メセナ

企業の3分類

企業は大きく分けると「公企業私企業(民間企業)公私合同企業(第3セクター)」の3つに分類できる。

各企業の定義

公企業
国や地方公共団体が所有・経営する企業。例:東京都交通局(都営バス・都営地下鉄)、造幣局(独立行政法人)
私企業
民間(国や地方公共団体以外)が出資・経営する企業。私企業の中心は株式会社。例:SoftBank(株式会社)、漁師(個人企業)
公私合同企業(第3セクター)
国や地方公共団体(第1セクター)と民間(第2セクター)が共同で作った企業。例:三陸鉄道、ゆりかもめ、松浦鉄道など。かつて民営化されたNTT・JT・JRも公私合同企業に分類される。

第3セクターの由来

第1セクター
国・地方公共団体
第2セクター
民間企業
第3セクター
第1セクター+第2セクターが共同で設立した企業

株式会社の仕組み

株式会社は「利潤の追求が最もしやすい企業形態」で、資本主義に最も適した企業形態です。

基本的な仕組み

株式の発行
株式を発行することで、外部から大規模な資金調達が可能になる。出資金をはるかに超える巨大な資金を調達することで、大企業が生まれることもある。
株主
株式を買った人は株主となり、出資額分の会社の所有者になる。

株主のメリット

配当・株主優待
配当(利益の一部)や株主優待(株式保有に対するお礼)がもらえる。
株価差益
購入時より高い値段で売れば差額が利益になる(キャピタルゲイン)。
株主総会への参加
株主総会への参加を通じて、経営に参加できる。

株主総会

議決権のルール
株主は「1株=1票」の議決権を持つ。
決定事項
会社の方針や役員(取締役)などを決める。

多国籍企業とM&A

多国籍企業
国境を越えて全世界を舞台に活動している企業を多国籍企業という。
M&A(合併・買収)
グローバル化が進む今日、M&Aもさかんになっている。

企業の社会的責任(CSR)

企業には、利潤の追求だけでなく、日々の活動を通じて社会に貢献することが求められている。これをCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という。

概念 内容
コンプライアンス(法令遵守) 企業がきちんと法令を守ること
アカウンタビリティ(説明責任) 企業が活動に関する説明をきちんと行うこと
ディスクロージャー(情報公開) 企業が経営内容に関する情報を公開すること
フィランソロピー(慈善活動) 企業がボランティア活動を行うこと
メセナ(芸術支援) 企業が文化・芸術・スポーツの支援などを行うこと

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

市来公平先生からの問い:「あなたが社長なら、『会社の利益』と『社会貢献(CSR)』、どちらを優先しますか?その理由は?」

企業は利潤を追求する存在だが、社会の中で活動する以上、社会に対する責任も無視できない。 短期的には「利益優先」が合理的に見えても、コンプライアンス違反や環境破壊などの不祥事は長期的に企業価値を大きく損なう(例:雪印乳業、東芝の不正会計など)。 逆に、CSRを積極的に推進している企業は「ブランド価値の向上」「優秀な人材の確保」「投資家からの信頼」につながることが多い。 近年は「ESG投資」(Environmental・Social・Governance)という考え方が広まり、環境・社会・企業統治を重視する企業への投資が増加している。 利益と社会貢献は「トレードオフ」ではなく「両立できるもの」という視点が現代企業経営の主流になりつつある。