非公開試作版 / 政治編 15「内閣」(動画なし/PDFのみ)
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第 2 部 / 政治編 / 日本国憲法 第5章

内閣議院内閣制/内閣総理大臣/閣議/解散制度

動画準備中

この講は動画が用意されていません。PDF原本(政治編 p.26-27)の流れを Web 解説として再構成しています。

この講で説明できるようになるギモン

内閣 = 行政の中核

日本国憲法 第 5 章 が定める 内閣 は、行政の指令を出す中核です(→ 講 16 の行政機関がその指令を受けて動きます)。 内閣総理大臣と国務大臣(合計 14 人+首相)で構成され、閣議で重要事項を決定します。

内閣のキー要素

内閣=行政の中核

  • 議院内閣制 国会の信任で成立
  • 内閣総理大臣 国会議員から国会が指名
  • 国務大臣 過半数は国会議員
  • 閣議 全員一致が原則

議院内閣制

日本は 議院内閣制 を採用しています。 これは 「内閣が国会の信任に基づいて成立し、国会に対して責任を負う」制度です。 アメリカのような 大統領制(国民が大統領を直接選ぶ)とは違い、日本では国民が国会議員を選び、その国会議員が内閣総理大臣を指名します。

議院内閣制のモデル国は イギリス。日本もイギリスの仕組みを参考にしています。

内閣総理大臣になる条件

条件と任命

条件
国会議員であること/文民であること
指名
国会(衆参両院の議決が異なれば衆議院の議決が優先)
任命
天皇(国事行為。指名と任命を混同しないこと)

内閣総理大臣の4つの権限

  1. 国務大臣の任命・罷免
  2. 内閣を代表して議案を国会に提出
  3. 一般国務・外交関係を国会に報告
  4. 行政各部を指揮監督

国務大臣と閣議

国務大臣は内閣総理大臣が任命します。 過半数は国会議員でなければならない(残りは民間からの起用も可能)。 現在の国務大臣数はおおむね 14 名前後(特別法による特命大臣の追加あり)。

閣議 は内閣の意思決定機関。全員一致が原則です。 反対する大臣がいる場合は、総理大臣が罷免することで一致を作る—— という強い仕組みになっています。

内閣不信任決議と解散

内閣不信任決議衆議院のみが行使できる権限です。 衆議院で不信任案が可決されると、内閣は 10 日以内に次のどちらかを選ばなければなりません:

  1. 衆議院を解散する(→ 総選挙へ)
  2. 総辞職する(内閣全員が辞職)

2 種類の解散

69 条解散
内閣不信任決議が可決された結果としての解散。
7 条解散
内閣が政治判断で自ら衆議院を解散。憲法第 7 条の「天皇の国事行為」を内閣が助言・承認することで実現。実際の解散の多くはこちらの方式。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

日本のように内閣総理大臣を国会が指名する制度(議院内閣制)と、アメリカのように国民が直接選ぶ制度(大統領制)—— どちらが「民意」に近いでしょうか?

大統領制は 有権者が直接トップを選ぶため「民意の反映」という意味では強い制度です。 一方、議院内閣制は 多数派の意見をまとめた政党の代表が首相となるため、政党内の調整や連立交渉を通じてより広い合意で首相が決まる利点があります。 さらに、議院内閣制は 「議会と内閣がいつでも入れ替えられる」ため、機動性も高い。 どちらが優れているかは一概に言えず、大統領制は「強い指導力」、議院内閣制は「合意形成」に重きを置いた制度設計と捉えるのが妥当です。