非公開試作版 / 政治編 11「基本的人権の歴史」
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第 2 部 / 政治編

基本的人権の歴史王権神授説 → 社会契約説(ホッブズ/ロック/ルソー)

講義動画

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出典:市来公平 先生/TR-015「王権神授説と社会契約説」(7:13)

この講で説明できるようになるギモン

「なぜ王様が偉いの?」という問い

16〜18 世紀のヨーロッパは 絶対王政 の時代。王様が大きな権力を持ち、国民を支配していました。 人々の疑問は「なぜ王様だけがそんなに偉いのか?」—— この問いに答えるために生まれた2つの考え方が 王権神授説社会契約説 です。

2 つの考え方

権力の正当性をどう説明するか

  • 王権神授説 フィルマー/ボシュエ
  • 社会契約説 ホッブズ/ロック/ルソー

王権神授説 ── 神様から授かった権力

王権神授説 は、「王様の権力は神様から授けられたもの」とする考え方です。 神様の言葉 = 王様の命令、というロジックなので、王様の言うことは絶対—— という結論につながります。 提唱者は フィルマーボシュエ の 2 人。

しかし「神様って本当にいるの?」「王が神から特別に選ばれた根拠は?」と疑問を持つ人が現れ、市民革命の時期には新しい考え方が広がります。それが 社会契約説 です。

社会契約説 ── 国民と権力者の「約束」で社会が成り立つ

社会契約説の核心は、国民と権力者が双方向の「約束」を交わすことで社会が成り立つ、という見方です。 国民が「安全を守ってください」と頼み、権力者が「守る代わりに権力を行使させてください」と応じる—— この約束(=契約)が社会の根拠だと考えます。

社会契約説を唱えた人物は3人。ホッブズロックルソー。それぞれ本のタイトルと、考え方の違いを押さえましょう。

3人の思想家

ホッブズ『リヴァイアサン』
自然状態は 「万人の万人に対する闘争」。安全のために 権利を全面譲渡 して権力者に任せるべき—— ただしこの結論は 絶対王政を正当化してしまう側面があり、後に批判される。
ロック『市民政府二論(統治二論)』
権利は権力者に 「譲渡」ではなく「信託(貸す)」する。権力者が裏切ったら国民は 抵抗できる(抵抗権)。これが 名誉革命・アメリカ独立革命の思想的根拠に。
ルソー『社会契約論』
暴力に頼らず、みんなで話し合って一般意思に基づく代表者を選び、その人に統治させる。これが 人民主権(国民主権)の考え方。フランス革命に大きな影響を与えた。

3人の違いを 1 行で

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

ホッブズの考え(全面譲渡)が結果として絶対王政を正当化してしまったのは、なぜでしょうか?

ホッブズは「安全を守るため」に権利を権力者に全面譲渡する、と説きました。 しかし権利を 全部渡してしまうと、権力者は何でも自由にできるようになります。 「国民の安全のため」という名目で、結局は王様の絶対的な権力を肯定する論理になってしまうのです。 ロックが「全面譲渡ではなく信託」と修正したのは、まさにこの欠点を補うためでした—— 信託なら取り戻せる、つまり抵抗権が確保できるからです。