講義動画
この講について
- TR-010 は 概略編 で、6 種類の権利を概観する短尺動画です。
- 各論(自由権/社会権/参政権 など)の動画が別途存在するかは 要確認です。
この講で説明できるようになるギモン
- 基本的人権の6種類は?
- 「新しい人権」が他の5種類と違う点は?
- 基本的人権は無制限に主張できる?
- 権利と権利がぶつかった場合、どう調整する?
基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」
日本国憲法 第 11 条 は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」と定めています。 つまり、ある人の基本的人権を他人が邪魔したり、国が制限したりすることは原則できません。
基本的人権の6種類
6 種類の権利
- 平等権 差別されない
- 自由権 精神・身体・経済
- 社会権 生存権・教育・労働
- 参政権 政治に参加する権利
- 請求権 国に請求する権利
- 新しい人権 条文外・社会の変化に対応
「新しい人権」だけ性格が違う
平等権・自由権・社会権・参政権・請求権の 5 つは 憲法に明記されています。 これに対し 新しい人権 は、日本国憲法には「新しい人権」という文言で書かれていません。
では何かというと、社会の変化のなかで「これも人権として認めるべきでは?」と裁判や議論を通じて確立してきた権利の総称です。 プライバシー権/知る権利/環境権/自己決定権などが代表例で、いずれも憲法の他の条文(特に第 13 条「個人の尊重・幸福追求権」)を根拠に考えられています。
権利と権利がぶつかったとき ── 公共の福祉
基本的人権は永久不可侵—— とはいえ、現実には 「ある人の権利」と「別の人の権利」がぶつかる場面が起こります。 たとえば週刊誌の記者が他人のプライバシー(住所・家族構成 など)を本に書いて出版した場合:
- 書かれた人:プライバシーの侵害だと訴える(→新しい人権)
- 記者の側:表現の自由がある(→自由権)
ここで登場するのが憲法 第 12 条「公共の福祉」です。 公共の福祉とは 「どちらの権利を優先したほうが社会全体のためになるか」で調整する考え方。 上の例ではプライバシー権が優先される、というのが一般的な解釈です。
※ 公共の福祉は人権を 否定する仕組みではなく、調整する仕組みです。大日本帝国憲法時代の「法律の留保」(→ 講07)とは決定的に違います。
この講のおさえどころ
- 基本的人権の6種類を全て挙げよ。平等権/自由権/社会権/参政権/請求権/新しい人権
- 「新しい人権」の例を3つ挙げよ。プライバシー権/知る権利/環境権/自己決定権 など
- 基本的人権は何条で「侵すことのできない永久の権利」と定められている?第 11 条
- 権利どうしの衝突を調整する考え方は?公共の福祉(第 12 条)
考えを深めるための論点
「新しい人権」は時代とともに増えています。これからの社会で生まれそうな「新しい人権」を一つ挙げて、その必要性を説明してみましょう。
候補としては 「忘れられる権利」(インターネット上の自分に関する情報を削除させる権利)や、 「データ自己決定権」(自分の個人データの利用範囲を自分で決める権利)が議論されています。 AI による情報処理が拡大している今、これらの権利は「自由権の延長」として整理されていく可能性が高いです。 新しい人権を考える際のコツは 「既存の権利の延長で説明できるか」「侵害された場合に取り返しがつかないか」の 2 点です。