非公開試作版 / 政治編 12「国会」
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第 2 部 / 政治編 / 日本国憲法 第4章

国会三権分立/二院制/衆議院の優越/4種類の国会

講義動画

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出典:市来公平 先生/TR-005「国会」(19:28)

この講で説明できるようになるギモン

国会は「3つの肩書き」を持つ機関

日本国憲法 第 4 章 が定める 国会 には、憲法上 3 つの肩書きがあります。 これは三権分立(立法・司法・行政)のなかで、立法を担う国会だけが持つ 「やや上位」の地位を示しています。

※ その証拠に、衆議院議長・参議院議長の給料は 内閣総理大臣(行政の長)や最高裁判所長官(司法の長)よりも上です。

国会の3つの肩書き

国会=立法府の三冠

  • 国権の最高機関 立法>行政=司法
  • 国唯一の立法機関 法律を作れる唯一の場所
  • 国民の代表機関 選挙で選ばれた人の集まり

二院制 ── 衆議院と参議院

国会は 衆議院参議院 の二院から成ります。 慎重な審議のために二院制が採用されています。

衆議院 vs 参議院

衆議院
定数 465 / 任期 4 年 / 被選挙権 25 歳 / 解散あり / 内閣不信任決議あり / 「庶民院」のあだ名
参議院
定数 248 / 任期 6 年(3 年ごとに半数改選)/ 被選挙権 30 歳 / 解散なし / 「識者の府」のあだ名(最近は「衆議院のカーボンコピー」とも)

定数は 憲法ではなく公職選挙法で定められています(時代によって変わる)。 被選挙権が衆議院 25 / 参議院 30 と異なるのは、衆議院は幅広い年齢、参議院は知識人を集めたいという狙いの違いです。

比例代表の選挙区も違います。衆議院は全国を 11 ブロックに分割、参議院は全国 1 ブロック。 参議院は「知名度のある知識人」を当選させる狙いがありましたが、結果として 有名人候補(タレント議員)が通りやすくなる側面も生まれました。

4 種類の国会

国会の種類

通常国会
毎年 1 月に召集/会期 150 日/予算審議が中心(3 月末までに次年度予算を決める)/1 回だけ延長可・再延長は不可。
臨時国会
内閣が要求するか、国会議員が要求すれば開催可能。
特別国会
衆議院の解散総選挙後に必ず召集され、内閣総理大臣の指名を行う。
※「内閣総理大臣の指名=特別国会」ではない点に注意。指名は通常・臨時でも可。
参議院の緊急集会
衆議院が解散中に緊急の議題が出た場合に開催(過去に 2 回開催)。「国会」とは呼ばない(両院揃わないので)。

国会議員の3つの特権

不逮捕特権/免責特権/歳費特権

不逮捕特権
国会の 会期中は逮捕されない(国民代表の発言を守るため)。
免責特権
議会内の発言・採決で外部の責任を問われない。例:民泊解禁発言で旅館経営者から訴えられても、損害賠償を負わない。
歳費特権
一般職国家公務員の 最高額(事務次官級)以上の給料を受ける(年 2,000〜2,200 万円台)。

国会の権限と「ダミー」に注意

国会の主な権限:法律の制定/予算の 審議/決算の審議/条約の 承認/憲法改正の 発議/内閣総理大臣の 指名/内閣不信任決議/弾劾裁判所の設置/国政調査権。

入試の典型ダミー

委員会と本会議/衆議院の優越

法律案は 委員会(専門審議・原則非公開・公聴会で専門家から意見を聞ける)→ 本会議(多数決・公開)の順で審議されます。 本会議を開くには 各議院の総議員の 1/3 以上の出席が必要(定足数)。

衆議院の優越が認められる4場面

予算の議決
衆議院の議決で決定。両院の議決が異なれば 両院協議会で調整、不成立なら衆議院案。
条約の承認
同上。
内閣総理大臣の指名
同上。
法律の議決
衆議院可決・参議院否決の場合、衆議院で 2/3 以上の再可決で成立。
内閣不信任決議
衆議院のみが行使可能。

衆議院の優越が認められるのは、参議院より 任期が短く(4年)解散もあり、被選挙権が低い ため、国民の意思をより強く反映していると考えられているからです。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

参議院が「衆議院のカーボンコピー」と呼ばれる現状は、二院制の意味を損なっているでしょうか?

二院制の本来の目的は 「異なる視点で慎重に審議すること」です。 ところが現在の参議院は、衆議院と同じ与党構成・似た政策で動いていることが多く、「もう一つの衆議院」になってしまっているという批判があります。 改善策としては、参議院の被選挙権年齢を引き上げる・選出方法を変える・両院の役割を明確に分ける(例:参議院は長期視点の政策を担当)などが議論されています。 二院制を 「同じことを 2 回やる仕組み」ではなく「違う視点を持ち寄る仕組み」に戻せるか—— が課題です。