非公開試作版 / 現代社会編 05「世論とマスメディア」
05

第 1 部 / 現代社会編

世論とマスメディアマスメディア/メディアリテラシー/批判的読み取り

講義動画

動画ファイル提供待ち

出典:市来公平 先生/TR-016「世論とマスメディア」(4:00)

この講で説明できるようになるギモン

世間の声 = 世論

たとえば「原発再稼働はどう思いますか?」というテーマがあります。 A さん「賛成」/ B さん「反対」/ C さん「どちらでもない」—— このように世間一般の人々が持つ意見の集まりを 世論 と呼びます。

情報伝達のキーワード

世論を形作る情報の流れ

  • 世論 世間一般の人々の意見
  • メディア 情報を伝える媒体
  • マスメディア 不特定多数に向けたメディア
  • マスコミュニケーション マスメディアが情報を伝える行為
  • 情報/メディアリテラシー 批判的に読み取る力

メディアとマスメディアの違い

メディアとは、情報を伝える 媒体のことです。テレビ・ラジオ・雑誌・新聞・SNS・手紙・電話・DVD など、すべて媒体(メディア)です。

メディアの中でも、「不特定多数」に向けて情報を発信するものを マスメディア と呼びます。 テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などが該当します。「マス(mass)」が 不特定多数を意味する英語です。

マスメディアが情報を伝える 行為そのものマスコミュニケーション と言います。 「マスコミ」という略語はこちらの行為を指しますが、日常では「マスメディア」と混同して使われがちです。

同じ日の新聞でも内容が違う

新聞各社の論調は、社の立場によって変わります。 同じ日に発行された複数の新聞でも、社説の内容が正反対になることがあります。 これはどちらかが嘘をついているわけではなく、事実をどの角度から伝えるかがメディアによって異なるためです。

たとえばエネルギー政策に関する社説で:

—— 同じテーマでも切り口がまったく違うことが普通に起きます。 これは複数の情報を読み比べることで初めて見えてくる「各社の意見」の存在です。

情報リテラシー/メディアリテラシー

情報社会で生きる私たちに必要な力が 情報リテラシー(または メディアリテラシー)です。

用語の整理

情報リテラシー
メディアが発する情報を含む あらゆる情報を批判的に読み取り、複数の情報源から事実を判断する力包括的な意味。
メディアリテラシー
特に マスメディアが発する情報について、上記と同じ力を発揮すること。

テストでは「情報リテラシー」と答えれば、メディアリテラシーを含む正解となります(より広い概念のため)。 迷ったら「情報リテラシー」で答えるのが安全です。

記述問題対策 ── 模範解答の型

「マスメディアの情報にどのように接していけばよいか。『各社の意見』『不正確』『批判』 という語を使って説明しなさい」のような問題が頻出します。

模範解答の型

解答例
マスメディアが流す情報には 各社の意見 が入っていたり、不正確なこともあったりするため、情報を様々な角度から 批判的に読み取り、公正に判断することが大切である。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

SNS が普及した現代、「マスメディアの情報リテラシー」だけでは足りない可能性があります。SNS時代に必要なリテラシーとは何でしょうか?

SNS では、発信者が個人でも、拡散の速度と規模はマスメディアを超えることがあります。 さらに「いいね」やアルゴリズムによって、自分が見たい情報だけが流れてくる フィルターバブル/エコーチェンバーが生まれやすい。 SNS 時代の情報リテラシーは: ①一次情報を自分で確認する/②反対意見にも触れる/③拡散する前に立ち止まる—— の3点が要です。 「批判的に読む」から 「批判的に発信する」へ —— 受け手だけでなく送り手としての責任も問われるのが、SNS 時代の特徴です。

同じ日の新聞でも内容が違う ── これは「メディアが信頼できない」ということでしょうか?

逆です。むしろ健全な姿です。 全てのメディアが同じ論調なら、それは「言論の自由がない国」の特徴です。 違う意見が並存し、読者が選択できる状態こそ、民主社会のメディアのあるべき姿です。 重要なのは「信頼できる/できない」ではなく「複数のメディアを読み比べる習慣を持てるか」。 新聞ならスタンスの違う2紙を、テレビなら異なるチャンネルのニュースを、SNSなら立場の異なるアカウントを—— 意識的に並べて読む力が求められます。