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この講は現時点で動画が用意されていません。PDF原本(政治編 p.4-7)の流れを Web 解説として再構成しています。
この講で説明できるようになるギモン
- 政治って何?
- 独裁政治と民主政治の違いは?
- 直接民主制と間接民主制の違いは?
- 話し合いをしても意見が一致しない時はどうする?
- 多数決は万能な方法か?
- 投票行動を棄権することによりどんなことが起こりうるか?
政治って、なに?
意見や立場が異なる人どうしがぶつかり合う状態を、社会では 対立 と呼びます。 この対立を調整して解決に導くこと—— つまり、人びとが共に暮らすための「決め方」をつくる行為そのものが 政治 です。
たとえば「消費税は 12% にすべきか、すべきでないか」という議題には、賛成と反対の 対立 が生まれます。 この対立に解決策(きまり)を提示し、人びとが納得できる結論へ導く——これが政治の役割です。
政治には大きく分けて2種類のパターンがあります。「権力者が独自に決める」型と、「みんなで話し合って決める」型です。
政治の2つのパターン
政治
- 独裁政治 一人の意思で決定
- 民主政治 最多数の意思で決定
- 直接民主制 みんなで話し合う
- 間接民主制 代表者が話し合う
独裁政治/民主政治/直接民主制/間接民主制
権力者が解決策を独自に考えて社会を導く政治方法を 独裁政治 といいます。 対して、国民がみんなで話し合って解決策を考え、社会を導く政治方法が 民主政治 です。
民主政治のうち、全員が1か所に集まって直接話し合う形を 直接民主制、 集まれないときに 選挙で代表者を選び、その代表者が話し合う形を 間接民主制 といいます。
日本のような大きな社会では、全員が一堂に会するのは現実的ではありません。 そのため、現在の日本は 間接民主制(議会制民主主義) を採用しています。 ただし国民主権を実現する仕組みとして、住民投票や国民投票といった直接民主制的な制度も併用されています。
この節で覚える用語
- 政治
- 対立を調整して、解決に導くこと。
- 独裁政治
- 一人の権力者が決定する政治。
- 民主政治
- みんなで話し合って決定する政治。
- 直接民主制
- 全員が1か所に集まり、直接話し合う形態。
- 間接民主制
- 選挙で代表者を選び、代表者が話し合う形態(=議会制民主主義)。
話し合いをしても意見が一致しないときは?
話し合っても意見がまとまらないときには、多数決 で決定するのが一般的です。 多数決には次のような長所と短所があります。
多数決の長所と短所
- 長所
- 結論を出すスピードが速い/集団の意思を反映しやすい。
- 短所
- 少数派の意見が切り捨てられる/数が多ければ「正しい」とは限らない。
多数決は便利な仕組みですが、万能ではありません。 決める前に「少数意見にも耳を傾ける」「数だけで判断していないか確認する」といった工夫が、よりよい合意につながります。
棄権が増えるとどうなるか
棄権が増えると、ごく一部の人の意思で社会全体の方針が決まることになります。 これは「自分の暮らしを誰かに任せきりにする」ことと同じ意味を持ちます。 民主政治では 「投票する」ことそのものが大切な参加のかたちです。
政治参加ゲーム ── 議題への向き合い方
授業では、次のような議題で「賛成・反対」を考える活動を行います。 ここでは、議題そのものと、どのような視点で論じられるかを解説します。
議題 ①
POLITICS GAME「コメの生産量を減らし、代わりに工業製品の製造量を増やす。」
農業従事者の生活・食料安全保障の観点からは反対が出やすく、 国際競争力・輸出産業の観点からは賛成が出やすい議題です。 「誰の立場で考えるか」で結論が変わることを体験する題材です。
議題 ②
POLITICS GAME「年収 1000 万円未満の人は所得税 0% にする代わりに、年収 1000 万円以上の人は所得税 70% にする。」
所得の 累進性 の極端な例です。 格差是正の観点からは賛成、勤労意欲・経済活力の観点からは反対が出ます。 「何を優先するか」で立場が分かれる議題です。
この講のおさえどころ
- 「対立を調整して、解決に導くこと」を何という? 政治
- 一人の権力者が決定する政治形態を何という? 独裁政治
- 選挙で代表者を選び、その代表者が話し合う形を何という? 間接民主制(議会制民主主義)
- 多数決の短所を1つ挙げよ。 少数派の意見が反映されにくいこと(少数意見が切り捨てられる場合があること)。
考えを深めるための論点
もし国民の半数以上が選挙を「棄権」した場合、社会にはどのような影響が起こると考えられますか?
棄権が増えるほど、選挙結果は 投票した少数の人の意思 によって決まります。 その結果、政策が一部の利害関係者に偏りやすくなり、政治家側も「投票しない層」の声を反映しにくくなります。 つまり棄権は 「自分の暮らしのルールづくりを他人に任せる」選択でもあります。 民主政治では、投票することが 国民主権 を実際に行使する第一歩となります。