非公開試作版 / 現代社会編 03「家族」
03

第 1 部 / 現代社会編

家族家族の定義/家族形態の変化/続柄/民法

講義動画

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出典:市来公平 先生/TR-025「03 家族」(38:14・最長講義)

この講で説明できるようになるギモン

あなたにとって「家族」とは?

家族には、実は 正式な定義がありません。 一緒に住んでいる人を家族と呼んでもよいし、別居している両親や、亡くなった祖父母、ペットを家族と呼んでも構いません。

公民で学ぶのは「あなたが感じている家族」ではなく、社会制度の上での家族の捉え方です。 まずは家族の形 ── 核家族拡大家族単独世帯 の3タイプから始めましょう。

家族形態の3タイプ

家族の形

  • 核家族 親+子/夫婦のみ/夫婦+子
  • 拡大家族 親戚を含む3世代以上
  • 単独世帯 1人暮らし

家族形態の変化(1960年 → 2010年)

1960 年と 2010 年を比較すると、家族形態は劇的に変化しています。

特に 単独世帯(1人暮らし)の増加が顕著です。理由は2つあります:

1人暮らしが増えている2つの理由

未婚者の増加
一生結婚しない人が増加。男性の約4人に1人が生涯未婚(生涯未婚率)。
高齢者の1人暮らし
平均寿命が伸びたため、配偶者に先立たれた後の1人暮らし期間が長くなった。高齢者の約5人に1人が1人暮らし。

家系図と続柄

血縁関係や婚姻関係を表す言葉を 続柄、それを図に表したものを 家系図 といいます。 契約書や生徒調査票で続柄を記入する場面は意外と多いので、しっかり押さえておきましょう。

主な続柄

本人
自分
父・母
兄・姉
年上のきょうだい
弟・妹
年下のきょうだい
自分の子ども
自分の子の子ども
祖父・祖母
親の親
おじ・おば
親のきょうだい
おい・めい
きょうだいの子ども
いとこ
おじ・おばの子ども
夫 or 妻 = 配偶者
結婚相手
義理の○○
結婚を通じて生じた関係(例:義理のおじ=おばの夫)

民法 ── 婚姻のルール

家族関係を規定する法律が 民法 です。中学生のうちに知っておきたい4つの論点を整理します。

民法の4論点

結婚できる年齢
男女とも 18 歳から。2022 年 4 月 1 日に成人年齢の引き下げに合わせて統一(それ以前は男 18・女 16)。法律用語では「結婚」ではなく 婚姻
近親婚の禁止
民法 734 条:三親等内の傍系血族は婚姻できない。
=自分の子(一親等)/親(一親等)/兄弟(二親等)/祖父母・孫(二親等)/おじ・おば・おい・めい(三親等)まで結婚不可。
いとこは四親等なので法律上結婚可。
夫婦の苗字
民法 750 条:夫または妻の氏を称する。どちらかに統一すれば OK(夫の苗字でも妻の苗字でもよい)。最近は 夫婦別姓 を求める議論もある。
遺産相続
原則:遺産の 1/2 が配偶者、残り 1/2 を 子で平等に分割
例:遺産1800万円、配偶者+子3人なら、配偶者900万・子300万×3。

親等の数え方

本人を起点に、上下の縦の線を 1段で1親等として数えます。

民法では 三親等内の婚姻は不可。よって いとこ(四親等)は結婚可能です。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

「夫婦別姓」を法律で認めるべきだという議論があります。賛成・反対それぞれの根拠はどんなものでしょうか?

賛成派:結婚で苗字を変える側(実態として女性が約 95%)の負担(仕事上の旧姓使用・各種手続きの煩雑さ)が大きい/生まれた時の名前を保つことは 個人の尊重 につながる/既に世界の多くの国が選択的別姓を認めている。
反対派:家族の一体感が損なわれる/子どもの姓をどうするか/伝統的な家族観の維持。
この議論のポイントは「強制別姓」ではなく「選択的夫婦別姓」—— 同姓を希望する夫婦はそのままでよく、別姓を希望する夫婦に選択肢を与える、というのが現実的な議論の中心です。

家族形態の変化は社会にどんな影響を与えているでしょうか?

核家族化と単独世帯の増加によって、かつて家族が担っていた機能(育児・介護・教育・経済的支援) を、社会全体で支える必要が高まっています。 保育サービス、介護保険制度、生涯学習機会の拡充—— こうした政策はすべて「家族だけでは支えきれない」という現実への対応です。 家族の形が変わると、社会保障制度の設計も変わらざるを得ない—— これが現代日本の課題の根底にあります。