非公開試作版 / 経済編 34「家計」(動画なし/PDFのみ)
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第 3 部 / 経済編

家計収入の種類/消費支出・非消費支出・貯蓄

動画準備中

この講は動画が用意されていません。PDF原本(経済編 p.23〜24)の流れを Web 解説として再構成しています。

この講で説明できるようになるギモン

最も身近な経済活動

経済編の締めくくりは「家計」——私たちの最も身近な経済活動です。 毎月の収入はどこから来て、どこへ消えていくのか。中学生のうちに「お金の流れ」を正確に理解しておくことは、将来の自立した生活のために不可欠です。 月収20万円でどんな生活ができるのか、シミュレーションしてみましょう。

家計のキー要素

家計=家庭における収入と支出による経済活動

  • 収入の3種類 勤労所得(給料)・事業所得(自営業)・財産所得(株の配当など)
  • 支出の3種類 消費支出(食費・娯楽費など)・非消費支出(税金・社会保険料)・貯蓄
  • 月収20万円の場合 非消費支出だけで約5万円以上が出ていく

家計とは

家計:家庭における収入と支出による経済活動のこと。

収入の3種類

勤労所得(勤労収入)
働いて得る収入(給料)
事業所得(事業収入)
自営業など自分で事業をして得る収入
財産所得(財産収入)
株の配当・利子・家賃収入など、財産を運用して得る収入
その他
年金や生活保護費など

支出の3種類

消費支出
食費・衣服費・娯楽費・教育費・医療費など、日常生活で必要な支出
非消費支出
税金(所得税・住民税)や社会保険料(健康保険・年金など)など。家計の自由にならない義務的な支出。
貯蓄
銀行預金や生命保険料など。将来の支出に備えて蓄える。

月収20万円の場合のシミュレーション

PDFの内容に基づき、月収20万円の場合の支出構造を確認しよう。

非消費支出(毎月必ず払う義務的支出):51,310円

項目 金額(月)
国民年金の保険料 17,510円
国民健康保険の保険料 19,100円
税金(所得税住民税 14,700円
合計 51,310円

毎月必ず出ていく消費支出(最低ライン):14,100円+α

項目 金額(月)
水道・電気・光熱費 13,000円
NHK受信料 1,100円
合計 14,100円

自由に決められる消費支出(+αの部分)

項目 金額の目安(月)
住居費(家賃・駐車料金) 地域・状況による
食費 25,000円〜75,000円
通信費 0円〜9,300円
交通費 0円〜10,000円
その他(雑費・被服費・洗濯費・交際費・医療費・娯楽費など) 状況による

月収20万円でも、非消費支出だけで約5万円以上が出ていく。残りは約15万円で、家賃・食費・通信費などを支払うと、自由に使えるお金はかなり限られることがわかる。

家計と経済の関係

家計は経済の3主体(家計・企業・政府)の一つ。

家計の役割

消費性向と貯蓄性向

消費性向
所得のうち消費に使う割合
貯蓄性向
所得のうち貯蓄に回す割合

日本人は貯蓄性向が高い(将来への不安・老後の備え)とされてきたが、近年は低下傾向にある。

この講のおさえどころ

考えを深めるための論点

市来公平先生からの問い:「初任給20万円。『使う』『貯める』『増やす』の理想の割合はどのくらいだと思いますか?その理由は?」

月収20万円から非消費支出(約5万円)を引くと可処分所得は約15万円。ここから住居費・食費・通信費などを払うと残るのはわずかだ。

使う(消費)」は日常生活の維持に必要。 「貯める(貯蓄)」は突然の病気・失業への備え(緊急予備資金として月収3〜6か月分が目安)。 「増やす(投資)」は長期的な資産形成(株式投資・投資信託・iDeCoなど)。 金融庁が推進するNISA(少額投資非課税制度)は「投資を通じてお金を増やす」ための制度だ。

正解はないが「貯めるだけ」では低金利時代に資産が増えにくく、「使うだけ」では将来のリスクに対応できない。自分なりの「マネープラン」を考えることが、公民教育の出口として求められる力だ。