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この講は動画が用意されていません。PDF原本(経済編 p.23〜24)の流れを Web 解説として再構成しています。
この講で説明できるようになるギモン
- 家計って何?勤労所得って何?財産所得って何?
- 食費や娯楽費って何支出?税金や社会保険料って何支出?
- 月収20万円だと税金・社会保険料はいくら?
最も身近な経済活動
経済編の締めくくりは「家計」——私たちの最も身近な経済活動です。 毎月の収入はどこから来て、どこへ消えていくのか。中学生のうちに「お金の流れ」を正確に理解しておくことは、将来の自立した生活のために不可欠です。 月収20万円でどんな生活ができるのか、シミュレーションしてみましょう。
家計のキー要素
家計=家庭における収入と支出による経済活動
- 収入の3種類 勤労所得(給料)・事業所得(自営業)・財産所得(株の配当など)
- 支出の3種類 消費支出(食費・娯楽費など)・非消費支出(税金・社会保険料)・貯蓄
- 月収20万円の場合 非消費支出だけで約5万円以上が出ていく
家計とは
家計:家庭における収入と支出による経済活動のこと。
収入の3種類
- 勤労所得(勤労収入)
- 働いて得る収入(給料)
- 事業所得(事業収入)
- 自営業など自分で事業をして得る収入
- 財産所得(財産収入)
- 株の配当・利子・家賃収入など、財産を運用して得る収入
- その他
- 年金や生活保護費など
支出の3種類
- 消費支出
- 食費・衣服費・娯楽費・教育費・医療費など、日常生活で必要な支出
- 非消費支出
- 税金(所得税・住民税)や社会保険料(健康保険・年金など)など。家計の自由にならない義務的な支出。
- 貯蓄
- 銀行預金や生命保険料など。将来の支出に備えて蓄える。
月収20万円の場合のシミュレーション
PDFの内容に基づき、月収20万円の場合の支出構造を確認しよう。
非消費支出(毎月必ず払う義務的支出):51,310円
| 項目 | 金額(月) |
|---|---|
| 国民年金の保険料 | 17,510円 |
| 国民健康保険の保険料 | 19,100円 |
| 税金(所得税・住民税) | 14,700円 |
| 合計 | 51,310円 |
毎月必ず出ていく消費支出(最低ライン):14,100円+α
| 項目 | 金額(月) |
|---|---|
| 水道・電気・光熱費 | 13,000円 |
| NHK受信料 | 1,100円 |
| 合計 | 14,100円 |
自由に決められる消費支出(+αの部分)
| 項目 | 金額の目安(月) |
|---|---|
| 住居費(家賃・駐車料金) | 地域・状況による |
| 食費 | 25,000円〜75,000円 |
| 通信費 | 0円〜9,300円 |
| 交通費 | 0円〜10,000円 |
| その他(雑費・被服費・洗濯費・交際費・医療費・娯楽費など) | 状況による |
月収20万円でも、非消費支出だけで約5万円以上が出ていく。残りは約15万円で、家賃・食費・通信費などを支払うと、自由に使えるお金はかなり限られることがわかる。
家計と経済の関係
家計は経済の3主体(家計・企業・政府)の一つ。
家計の役割
- 企業に労働力を提供し、給料(勤労所得)を得る
- 企業の株を買い、配当(財産所得)を得る
- 銀行に預金し、利子(財産所得)を得る
- 財・サービスを消費し、企業に代金を支払う
- 政府に税金・社会保険料(非消費支出)を支払い、公共サービスを受け取る
消費性向と貯蓄性向
- 消費性向
- 所得のうち消費に使う割合
- 貯蓄性向
- 所得のうち貯蓄に回す割合
日本人は貯蓄性向が高い(将来への不安・老後の備え)とされてきたが、近年は低下傾向にある。
この講のおさえどころ
- 家計の収入の3種類は?勤労所得・事業所得・財産所得
- 家計の支出の3種類は?消費支出・非消費支出・貯蓄
- 食費・娯楽費・教育費は何支出?消費支出
- 税金・社会保険料は何支出?非消費支出
- 非消費支出は家計が自由に決められる?決められない(義務的支出)
- 勤労所得とは?働いて得る収入(給料)
- 財産所得とは?株の配当・利子・家賃収入など、財産を運用して得る収入
考えを深めるための論点
市来公平先生からの問い:「初任給20万円。『使う』『貯める』『増やす』の理想の割合はどのくらいだと思いますか?その理由は?」
月収20万円から非消費支出(約5万円)を引くと可処分所得は約15万円。ここから住居費・食費・通信費などを払うと残るのはわずかだ。
「使う(消費)」は日常生活の維持に必要。 「貯める(貯蓄)」は突然の病気・失業への備え(緊急予備資金として月収3〜6か月分が目安)。 「増やす(投資)」は長期的な資産形成(株式投資・投資信託・iDeCoなど)。 金融庁が推進するNISA(少額投資非課税制度)は「投資を通じてお金を増やす」ための制度だ。
正解はないが「貯めるだけ」では低金利時代に資産が増えにくく、「使うだけ」では将来のリスクに対応できない。自分なりの「マネープラン」を考えることが、公民教育の出口として求められる力だ。